16日 原油は続伸、需給の引き締まりで
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(3月限)は祝日前の12日終値と比べ73セント高の60.20ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(4月限)は前日終値と比べ25セント高の63.55ドル/バレルと、いずれも続伸している。 原油相場は前日の欧米市場の流れを引き継ぎ、上昇している。野村證券経済調査部の大越龍文シニアエコノミストは「需給が引き締まり、高止まりしている印象だ」と述べた。需要面では、米国の追加経済対策の成立への期待感に加え、新型コロナが一時期に比べ小康状態にあり経済規制が緩和されている点、ワクチンの普及が相場を支えた。供給面ではOPECプラスの協調減産が遵守されていることが強材料となった。厳寒に伴う米国での原油処理装置の停止は「原油相場に一服感を与える一材料にすぎない」(同氏)ようだ。 ただ、同氏によると現在の原油相場には不安定性も残るという。イエメンの武装組織フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃が相場の上振れリスクにつながる反面、「原油価格が上昇することでロシアが協調減産幅を縮小する可能性も出ており、サウジアラビアなどが警戒を強めている。また、エネルギー需要の回復が予想よりも弱いとみなされれば、原油相場は下がるかもしれない」(同氏)。 日経平均株価は前日比363円74銭高の3万447円89銭で推移している。ドル円相場は1ドル=105.53円と、前日の17時時点(105.18円)と比べドル高・円安方向に振れている。
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